「月樹夜の森」は、ヨガインストラクション映像のために作られたシンセサイザー組曲。
Kaneko Takujiの作り出すオーガニックな音世界は、宇宙的な広がりをも感じさせる。
全体は、「森の章」、「川の章」、「星の章」、「月樹の章」の４つのシーンで構成されている。
日常の喧騒を忘れ、目を閉じてゆっくり瞑想しながら、あるいはヨガをしながら聴いてほしい。
きっと大自然の中に溶け込んでゆくかのような錯覚に陥るであろう。
そして、最後は宇宙へと・・・


"Tsukiyo No Mori" is made for an instruction movie of Yoga.
Also an attempt to fusion Japanese traditional music and electric music.
The music brings the sound of calm atmospheric instruments of Japan and contemporary synthesizers.


Kaneko Takuji

シンセサイザー・プレイヤー、コンポーザー、プロデューサー。
1958年岐阜市出身。
1989年よりレーザーショウでの演奏を中心に活動。クラシックやプログレッシブ・ロックを基盤とした独自の世界を築く。
楽曲は大きな展開と明快なメロディーを特徴とする。
近年は、より精神的な深さを求める曲作りに重点を置いている。

制作に1年半を費やした大曲「月樹夜の森」。
シンセサイザー・ミュージックというジャンルに、たとえ小さくとも、何らかの足跡を残すために、僕は一音一音に丹精を込めた。

今までにないほどメロディーを研ぎ澄まし、余計な音を一切排除した。
「この音は必要かどうか」・・・悩んだまま1日が終わった事もあった。
自分のやっていることは、間違っていないかどうか。
グルグルと同じ所を回っているだけのような虚しい感覚にも何度も襲われた。
デジタルという領域での表現に限界を感じた時もあった。

デジタル音源のシンセサイザーはどうしても冷たい音になってしまう。
どうやったら暖かい音色になるのか。日々悩んだ。
そして、ひとつひとつ自分なりのやり方で、デジタルの限界を切り抜けてきた。

そのひとつの答えが、この「月樹夜の森」である。
たゆたうような時間の中で揺れる音の波。月を反射して浮かび上がる水面に広がる光の波紋。それらをこの40分の時間の中に閉じ込めることに成功した。

癒しという言葉だけでは表し切れない強力な浄化をしてくれるであろう。それは、一種の「希望」であると言い換えることができるかもしれない。

この作品全体を通じて伝えたい、表現したい事は何か。
そんな大それた事をいつも考えて作っていたわけではないが、敢えて言うなれば、命の流れてゆく道筋みたいなものを
追ってみたかった、という事になるかな。

雨が降って、山や森から水が流れ始め、やがて川へ、そして海へと流れてゆく。それぞれの場所に植物、動物がいて生活している。
互いに話し合って決めたわけでもないのに（いや、話し合っているかもしれないな）その場所でそれぞれが進化して生態系を
作り出している。何と不思議な、驚異的な世界なんだろう。

また、月の満ち欠けと地球の生命とは密接な関係がある事も面白い。月がなくては今の地球の営みは崩壊するんじゃないだろうか、
とも思う。

人類が生まれる前からそれらの流れはあったわけで、そこに僕たちが住まわせてもらっているのだな。
逆に考えれば、「自然」と呼んでいるものは、僕らにとっては先祖でもある。大先輩なのである。「母」なのである。
話がやや大きくなってしまったが、そういったメッセージを、この「月樹夜の森」で感じてもらえたら充分だと思う。

＜作品タイトル＞

月樹夜の森

＜作品タイトル読み仮名＞
ツキヨノモリ
Tsukiyo No Mori

＜作曲、編曲、演奏、制作＞
Kaneko Takuji　
（金子卓司）

＜演奏時間＞
40'00"

＜ISRC＞
JPZ921800888
＜JASRAC作品コード＞
23455080
＜楽曲構成＞
Part1 「森の章」(Mori no shou)
演奏時間　10'24"

Part2 @10'24"「川の章」(Kawa no shou)
11'11"

Part3 @21'35"「星の章」(Hoshi no shou)
9'09"

Part4 @30'44"「月樹の章」(Tsuki no shou)
9'16"

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